メキシコシティ地下鉄の乗り方ガイド

メキシコシティの地下鉄はどこまで乗っても5ペソ。改札を入る時に機械で検札して電車に乗って、目的地で降りてゲートを出るだけです。切符を買うかカードにチャージして改札を通って電車に乗る、という行為はたぶん世界のどこでも同じだと思いますが、やっぱり日本とはいろいろ違うので「ここが違うよメキシコシティの地下鉄案内」をしたいと思います。

まず、券売機はありません。窓口で手売りです。スペイン語ができなくてもご安心を。必要なのは「ウノ ポルファボール」のひとことだけです。ウノはひとり、ふたりなら「ドス ポルファボール」を言えばOK。ほかになにかを聞かれることはないはず(私は今まで聞かれたことはない)。窓口は「Taquilla(タキージャ)」の文字を探してください。

滞在中に何度か地下鉄やメトロバスを乗るならメトロカードを買うと便利です。窓口で「ウナ タルヘタ ポルファボール」で買えます。最初に10ペソくらいデポジットが必要です。たぶん窓口のひとになにかを聞かれるのですが「いくらチャージする？」ってことなのでチャージする額を言うか30ペソくらい出して「トド ポルファボール(これ全部お願い)」というとOK。私も最初はそれで買いました(正しい言い方じゃない気がするけどとりあえず通じました)。

メトロカードはデザインがいろいろみたいでこれはほんの一例。メトロ49周年記念カードかな。ちなみに駅によってはカードを売っていないことも。私は最初、ポランコ駅で買おうとして「ないよー」と言われました。

切符を買ったら、さあ改札です。この黒いトコロに切符を入れると吸い込まれて、前の仕切り棒が回転できるようになります。

カードの場合はタッチして通ります。右側の丸いトコロにカードをかざすと、カードの残高が確認できる仕組み。

そして降車駅では回転棒を押して通るだけ。地下鉄はどこまで乗っても5ペソなので、改札を入った時に回収されています。

切符を買って乗って降りる、というところは以上ですが、日本の電車の親切な案内に比べてメキシコシティの地下鉄はいろいろと自力が必要です。まず駅のホームに行く時は、自分が乗る線の終点の駅名(Dirección)を覚えておく必要があります。日本だと駅名の看板には当駅と両隣の駅名が書いてあって、向かうほうの駅名が分かるようになっていますが、ホームの駅名には当駅の名前しか書いていません。で、ホームには行き先(Dirección)の案内しかない。

これがホームの駅名看板。この駅の左方向が何駅、右方向が何駅という情報は皆無です。私は乗って一駅過ぎてから、逆方向に乗ったことに気づく、ということがよくありました。日本ではお馴染みの「〇〇行きの電車が参ります。危ないですから〜」といったホームの案内放送もありません。ただ電車が来てドアが開いて閉まって出発する、という時間が淡々と流れます。車内の案内放送もありません。なので次が何駅なのかは自力で把握しておく必要があります。車内には路線図があるにはあるのですが、いかんせん文字が小さい。でもそのかわり各駅のロゴマークがあるので、そのロゴマークの駅に着いたら降りる、という感じです。この「あらかじめ降りる駅を直前まで知る術がロゴマークの把握のみ」ということは、旅行客にはややハードルが高めかと思います。まあメキシコシティの地下鉄の、そもそもの目的が市民の足(だから料金設定が格安)ということなので、「いつも使う人」に不便がなければそれでいいということなのかもしれません。そして日本のような乗り降り時の係員による安全確認はありません。電車がホームに到着したらバンッとドアが開いて(たまに完全停止する前に開くことがあります)、だいたいいいかなーのタイミングでバンッと閉まります。「ドアが閉まりまーす」のような案内や警告のための笛の音もありません。ドアの開け閉めは容赦がない感じなので、日本のタイミングで駆け込み乗車するとたぶん本当に怪我をすると思います。

それから女性に嬉しいのが各電車、全てに女性専用車が2両もあるということ。

このようなオレンジ色の立て看板の向こう側に女性専用車が止まります。

しっかりと「女性と子供だけね」って書かれてるにもかかわらず、しれっと乗り込んでくるおっさんもいますし、女性と一緒に乗ってるおにーちゃんも多数ですが…。基本的には女性とお子ちゃま専用ということになってます。

それからメキシコシティの地下鉄は、モノ売りの人たちも多数乗ってくるのでなかなか賑やかです。ハサミとかポストイットとか快適靴下のようなものを売る人もいます。最初は電車の中で急にハサミを買おうなんて気になるのかなと思ったんだけど、意外と買う人がいてビックリ。あとは目が見えない人がチップボックスを下げて、ギターを弾いて歌いながら歩いたりもします。というわけでメキシコシティの地下鉄はとっても賑やか。移動時間を静かに過ごしたい人にはまったく不向きな乗り物です。

そしてメキシコ人が口を揃えて言うのは「夜は地下鉄に乗っちゃダメ」ということ。地下鉄内はもちろんのこと駅周辺も危ないことが多いので、夜に移動するときは迷わずタクシーを利用したほうが良さそうです。流しのタクシーが心配ならUberが便利ですよ。

※※※2020.2.3追記

メトロカードの自販機が登場してました。新しいカードを買ったり、チャージもこれでできるみたい。でもお釣りが出ないっぽいので注意です。