メキシコのりこ

東京で社会人を20年ちょっと、からのメキシコ暮らし。

少年ヒーローズに死者の崖、駅名が謎すぎるメキシコメトロ

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2020年に東京・山手線に新たに開業する「高輪ゲートウェイ」駅。山手線では1971年にオープンした西日暮里駅以来の開業ということで、新駅のネーミングの行方も大きなニュースとなりました。

大手町、飯田橋、新宿、渋谷、池袋・・と、多くの聞きなれた駅名はほとんどが地名由来、そしてふたつかみっつの漢字を組み合わせでできていたものだから、最初に「高輪ゲートウェイ」と聞いた時に、漢字とカタカナ混じりのなんだかちぐはぐな印象を受けました。

ところ変わってここはメキシコシティメキシコシティには1回5ペソ(2019年現在)で乗ることができる地下鉄が走っているのですが、その駅名の統一感のなさを思い浮かべれば「高輪ゲートウェイ」に感じたちぐはぐぶりなんて、まったくたいした問題ではないように思えてきます。

まず最初に驚いたのは「Juárez」や「Hidalgo」「Zapata」といった、歴史上の偉人たちの名前を冠している駅があるということ。これって、高輪ゲートウェイ駅が「浅野内匠頭駅」みたいになるのかなと思うと、ちょっと不思議。

それから駅名に日付が入っているのにもびっくりしました。たとえば「Hospital 20 de Noviembre(直訳:12月20日の病院)」「Deportivo 18 de Marzo(直訳:3月18日のスポーツ)」「Constitución de 1917(直訳:1917年の憲法)」とか。歴史からきているネーミングだと思うのですが、呼びにくい&覚えにくいんじゃないかなと思ったり。「じゃあ、○○駅で○時に会いましょう」という会話をするのも面倒になりそう。

ほかにも地下鉄3号線の「Niños Héroes」は直訳すると「少年ヒーローズ」。

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「Héroes」を「英雄たち」ではなく「ヒーローズ」と訳すると、さらに面白く感じるのですが、これはアメリカ-メキシコ戦争のときに最後まで戦った少年たちをたたえた呼称なのだとか。チャプルテペック公園に大きな記念碑があります。

それから、7号線の終点「Barranca del Muerto」は直訳すると「死者の崖」。うーむ、駅名に「死」の文字があると不吉な感じを受けるのは日本人だけなのかしら。ちなみにメキシコの有名な伝統行事「Día de Muertos」は、そのまま「死者の日」だから、「Muerto=死=不吉」の連想はないのかもしれません。

ちなみに「Buena vista」の意味は「いい眺め」。

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直訳すると面白く感じるけれど、「ブエナビスタ」は単に「ブエナビスタ」という名前というだけのこと。固有名詞を直訳するというのもナンセンスな試みだと思うのですが、駅名の由来を考えていると、メキシコの歴史からスペイン語までいろいろな勉強になって、けっこう楽しいです。